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コラム『ガリレイドンナ』を巡る考察 
第1回「2061年氷河期初期の時代とエネルギー問題について」

『ガリレイドンナ』の舞台となるのは、石油や石炭などの資源がほぼ枯渇してしまっている2061年の世界。 この時代は、地球に初期氷河期が訪れ、ほとんどの地域で寒冷化が進んでいる。 そのためエネルギー需要は高まる一方なのだが、そのエネルギーを生み出すための資源が不足している、というのがこの世界の置かれた状況だ。


第1話で星月が逃げ込む原子力発電所跡。原子力もこの世界では既に過去のエネルギーとなっている。

星月たちが住んでいたトスカーナは比較的エネルギーの供給が行き届いていたようだが、国や地域によっては深刻なエネルギー不足と寒冷化に悩まされ、過酷な環境で暮らしている人々もいる。

現在、世界のエネルギー供給は巨大企業アドニムーンカンパニーがほぼ一手に担っているが、第1話の冒頭でメタンハイドレートの大規模な採掘場と、そこを襲撃する空賊が描かれたように(※この襲撃は、本当はメシェの破壊工作メカ、アザ・アイアンによるものだが、空賊の仕業として流布されている)、エネルギーをめぐるいさかいは世界で止むことがない。地球に残された資源が刻一刻と減りゆく中、次世代エネルギー資源の発見・開発が望まれている。


永久凍土のに作られた、メタンハイドレード採掘場とその内部。
採取したメタンハイドレードは工場内でカートリッジにパッケージングされて出荷される。
エネルギー開発事業でトップに君臨する企業、アドニムーン・カンパニー。

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