COLUMN

Galileidonna Original:A-1 Pictures

キャストコラム

日高里菜・大久保瑠美・真堂圭インタビュー


「ガリレイドンナ」のガリレオ三姉妹、星月役・日高里菜さん、神月役・大久保瑠美さん、葉月役・真堂圭さんに、作品について語っていただきました!

「ガリレイドンナ」という作品に対しての印象はいかがですか?

日高 最初のころは、ガリレオ・ガリレイの子孫の物語だと聞いて難しい話なのかと思っていたのですが、実際は全然そんなことはなくて。登場するメカも、ガリレオ号のように金魚をモチーフとした親しみやすいビジュアルのものだったり、キャラクターも愛されキャラというか、かわいらしいですよね。なので、悲しいエピソードがありつつも全体的にほんわかした雰囲気も感じる楽しい作品だと思っています。

大久保 私も最初は難しいお話だと思っていたんですけど、基本的には家族の絆や、旅をしていくうえでの成長を描いていくお話で。ただ、第5話「星座夢幻」で神月が「思っていたよりエネルギー問題って深刻なんだね」と言っていたシーンからも、これまで神月たちは世界情勢についてあまり考えたことがなかったと思うんですね。旅に出たことで初めてエネルギー不足の深刻さを実感しました。私自身も毎日平和に過ごしていますが、それは実際にはすごく幸せなことなんだと、この作品を見て改めて考えさせられました。梅津泰臣監督は今の世界情勢に対して思うところがあって、訴えたいことをこの作品で表現しているんだろうかと深読みしたりしています。

真堂 最初に3人の絵を見たときは、かわいらしいお話なのかと思ったんですが、ふたを開けてみたら、複雑な世界情勢が描かれていて、メカや銃は出てくるし、三姉妹は指名手配されて追われるし……という重い内容でびっくりしました。今まで平和に暮らしていた普通の女の子3人が突然追われる身となって、みんな考え方や感じ方・性格も違うけど一つのことに向かっていかなければいけないギクシャク感や難しさが出ていると思いました。あと、女の子たちだけっていうのがまた難しいんじゃないかなって。男の子だったら正義感に燃えて勢いでいける部分があると思うんですが、女の子って現実的だから冷静に物事を見ちゃうと思うんですよね。葉月はわりと男子的で「正義が一番! 悪が大嫌い!」という子だからわかりやすいんですけど、神月ちゃんは突然の状況の変化に戸惑って「嫌だ!」って言うし、星月ちゃんは多くを語らず黙々と突き進んでいくし……。みんな見事にバラバラだったので「本当にこの3人で旅を全うできるのかしら?」という感じがしました(笑)。でも、一つ一つの問題を3人で、ときにアンナさんを交えた4人で解決していくことにみんなの絆を感じました。

三姉妹の関係性についてはどうお考えですか?

日高 パッと見た感じだと神月は星月のことが嫌いだと感じるかもしれませんが、実際そんなことはなくて。第1話でこっそり飴玉をくれるシーンのように、実は神月の優しさは最初のころから見え隠れしているんですよね。彼女は素直になれなかったり妹に嫉妬してしまう自分自身にイライラして、たまたま星月に当たっちゃっただけなんだと思うんです。だから神月も旅の中で成長して、星月に対しての優しさだったり、本来の気持ちを素直に出せるようになっていくんじゃないかと思います。「嫌いだったのが好きになった」ではなくて、三姉妹それぞれが旅の中で成長することによって、もともと心の中にあった姉妹を想う気持ちがより強くなり、そこから絆も深めていけるんじゃないかと思っています。

大久保 本当に仲が悪かったら「ハズネェ」「ホッチビ」のようにあだ名ではなく、「あんた」とか「おい」とかそういう呼び方になると思うんです。だから、嫌いなんじゃなくて今まで一緒にいなかったからどう接していいか分からないという思いが強いのかなと。それが今回一緒に旅をするようになって、誰かがストッパーになったり、ここは自分が動かなきゃとか分かるようになっていく。そういう関係って、姉妹ではあるんですけど友達のようでもあって、素敵だなと思います。

真堂 葉月はもともと妹たちのことが嫌いでも苦手でもなく、ただ「2人妹がいます」というくらいの認識だと思うんです。だからそんなにギクシャクは……してるか(笑)。でも、一緒に過ごす中で神月が星月に対してキツく当たれば、第三者的な位置からフォローする。意外とそういうところは冷静なんですよ。感情的に見えて意外とフォローできる、お姉ちゃん的な位置にいる子なんだなと思いました。

演じられたキャラクターについてはどうお考えですか?

日高 最初は「引っ込み思案で気弱で、自分の気持ちもあまり強く言えない子だよ」とか、決めゼリフも「星月だからかっこよく決めようとしないで、弱々しい感じを出して」とスタッフさんから言われていたんです。でも、旅の中でいろんな壁にぶつかってそれを乗り越えてきた星月は、次第に考え方や感情の出し方も変わってくるなって思ったんですね。だから、そういう経験を積んだ「星月なりの感情の出し方の変化」っていうものを考えて、「この間はこの言い方はダメでしたけど、今はもういいですか?」と毎回スタッフさんと相談しながら演じるようにしています。なので、終盤にさしかかる中でいろんな感情を出すようになっている星月を見て「ああ、成長しているんだ」というのをすごく実感します。あと、言葉には出さないけど表情の一つ一つがとても細かいところも、星月の好きなところです。セリフだけじゃなくて、表情でも性格の良さ・優しさがにじみ出てるキャラクターだなって。

大久保 神月は思春期真っ只中の「絶賛反抗期中!」みたいな女の子なので、とにかく三姉妹の中で唯一「旅に出たくない! 行きたくない!」という意思が明確ですよね。ただ、自分の思っていることや考えてることをハッキリ言えるのは、この年頃だとなかなか難しいと思うので、人に流されるのではなく「嫌だ」と言える神月が私は好きです。それに、最初の頃は「“ただ”行きたくない」というわがままだったのが、「家族が傷つく姿を見たくないから行きたくない」という思いに変化していったことも、第1話から演じてきてとても印象深いです。そんな神月の気持ちの変化に伴って私自身の演技も変わってきていますね。

真堂 葉月は長女なので一番お姉さんっぽく演じようと思っていたんですけど、監督から「長女だけど末っ子みたいな感じです」と説明されたので、思ったことをストレートに発言したり自由に演じています。妹たちに対しては友達のようなフランクな接し方をしているし、年上のアンナさんにもあまり物怖じせず「ちょっと黙ってて!」とか「邪魔!」とかバシバシ言えるのが演じていて気持ち良いですね(笑)。あと星月と神月が引っ込み思案なので、その部分を葉月が補完しているとも感じます。

キャラクターデザインで気に入っている部分はありますか?

日高 私はたれ目が大好きなので星月のビジュアルはどストライクなんですよ。だから最初にオーディションを受けたときに、「こんなタイプな子が!」と思ったんです。

大久保 私は制服に黒タイツが好きなんです(笑)。実はアフレコが始まってから神月の服が制服だってことに気付いたので、そこからものすごく萌えてしまって……(笑)。「制服に黒タイツなんて最高じゃないか!」と思っています(笑)。

真堂 葉月が身に着けている安全ピンが好きですね。おしゃれなのか、検事志望なので資料をまとめるためにつけているのかは分からないんですけど、こだわりがあるのか聞いてみたいですね。あと服装の中にリボンがちょこちょこあって、葉月にもかわいいところがあるんだなと思いました。

お話ごとに衣装が変わったりもしますね。あと第5話の冒頭では、お風呂上りなのか星月が下着姿でしたが……。

日高 私もびっくりしました。肌色多めだなと思いましたもん!

大久保 神月に至っては第3話で全脱ぎで見られてますもんね。でも実は、私たちの間では神月の下着があんまりかわいくないって評判なんですよ(笑)。

日高 私は逆に神月の下着がリアルすぎて焦りました。普通、アニメで描かれる下着って、「現実じゃなかなか着ないよ!」と思うものが多いじゃないですか。でもこれは、このくらいの年ごろの子が好む下着のリアル感がすごくて、女子から見たら「こういうの持ってたよ」って(笑)。

大久保 なんでこんなにリアルなんだろうって思いましたね。どうやって調べたのか、すごく気になりました(笑)。

「ガリレイドンナ」のアフレコ現場の雰囲気はいかがですか?

日高 楽しいですよ~!

真堂 座る位置が自然と星月、神月、葉月、アンナ、ロベルトみたいになってるのが面白くて(笑)。その自然な感じがすごくアフレコしやすかったりします。

大久保 そういう感じで定位置みたいなものがありますね。話す内容も、その日やその週にあったいろんな出来事について「ちょっと聞いてくださいよ~」って、パーソナルな話題の方が多い気がします。

日高 あとは、いろいろな方からの差し入れが多い現場なので、いつも甘い物を食べてる気がします(笑)。食べきれないこともあって、最後にみんなでスタジオに残って食べたりもします。

真堂 そうそう! アフレコが終わった後に「差し入れを食べる会」とか開いてね(笑)。

大久保 一個一個が大きいものは「これ、アフレコ中には食べられないよね」とか話したりしています(笑)。

日高 なかなかみんな手をつけられないこともあるんですけど、そういうときにロベルト役の楠大典さんがスッとやってきて「食べろよ?」って言って、みんな少しずつ食べ始めたり(笑)。

今までで一番驚いた差し入れは?

大久保 オープニングを担当されているねごとさんがいらしたときに、すごい豪華なケーキを差し入れてくださったんですよ。某いいところのお店のフルーツがいっぱい乗ったケーキでした(笑)。

日高 あったあった。しかも普通のケーキよりも大きくて、いろんな種類があって! ほかにも、シシーニョ役の神谷浩史さんはたい焼きを一人一つずつとか。梅津監督はクレープとかシュークリームみたいな大きいものを差し入れてくださったりとか。

真堂 冬至郎役の羽佐間道夫さんはパンを差し入れてくださって。本当に毎回差し入れが豪華なので、収録のたびにお茶会のようになっています(笑)。

大久保 しゃべった分のカロリーをそこで摂っていましたね(笑)。

作中で印象的だったシーンを教えてください。

日高 星月が日本に対して強い憧れを持っていたことは知っていたので、彼女たちが第8話で日本に行ったシーンは印象的でしたね。今までにないくらい星月の表情が豊かでとても生き生きとしていて、「楽しいんだろうな」というのが目に見えて分かって。なので、演技をしながら「星月はこういう表情もするんだな」と新しい発見ができました。舞妓さんに感動している星月もかわいらしかったですよね。

大久保 私も第8話ですかね。第1話で神月と葉月が2人でソファに座って会話をしているシーンがあるんですけど、そのときは結構殺伐としている感じだったんですね。でも第8話で同じように2人が並んでしゃべっているシーンは、第1話の雰囲気とは全然違ってお互いのことを想い合っているのが分かるので、姉妹の仲が良くなってきたんだなって感じました。最初の方ではギクシャクしていた神月と星月の関係も、はしゃいだ星月が走ってどこかへ行ってしまうのを「待て!」と神月が面倒を見ているので、何だかんだ言って妹のことを気にしてるんだなと思います。

真堂 私は、葉月が熱を出した第6話が好きです。葉月本人は寝込んでいたので見ていないんですけど、星月と神月がアンナさんと一緒に病院へスパイみたいに乗り込んで、薬を探してくれたのが姉として嬉しかったですね。あと、第6話はロベルトさんとシシーニョさんの過去の話も描かれていて、珍しく男性色の強い回で面白かったです。

みなさんはストーリーを最後までご存知なんでしょうか?

日高 いただいた台本までですね。一応、第1話アフレコの前の顔合わせである程度の展開の流れはうかがってるんです。でも細かい展開については聞いてはいないので、台本を読んだときに初めて知るという感じです。

台本を読んで驚いたことや面白かったことはありますか?

大久保 第5話のアフレコのときに現場で里菜ちゃんと「これは次の第6話で、テオとカレンを助けに行くんだよね?」って話していたことがありますね(笑)。

日高 むしろ「助けに行く話にしよう!」って言ってたよね(笑)。第5話のときに、ゲストで来ていただいた声優さんとも「これはやばいぞ、この最後のテオとカレンが微笑み合うシーンは、生きていないパターンかも……」と話して(笑)。Aパートは大丈夫なのに、Bパートは台本を読むと落ち込んでしまうので、気持ちを持っていかれないように注意していました。

大久保 第6話の内容も結構つらかった。星月たちの目の前で、ロベルトが病院にいる人たちをどんどん撃ちますし……。

日高 ロベルトの過去の話も重かったですね。今のロベルトって表情もないし完全に悪役なんですけど、第6話で彼の過去を見て「こういう経験があったから今のロベルトになったんだな」っていう彼の人間的な部分が初めて分かったので、それは良かったなって思います。同情ではないですけど、そういう過去があるなら、やむを得ない面もあったのかなと思う部分はありますね。

そのほかに気になっている登場人物はいますか?

大久保 私はロベルトも好きですよ。ロベルト単体……というよりは、アンナさんとセットで見たときに「2人はどんな関係なんだろう」って気になってキュンとします。第7話のアンナさんのセリフの中で、誰とは明確にしていないけれど「とても頼りにしている人がいる」って星月に打ち明けるシーンがあるんですよね。でも、アンナさんとロベルトがどうやって出会って何故そうなったのかが分からないので、今後の展開で描かれるのかすごく気になります。

真堂 私はお父さんの行方が心配ですね……。第2話で星月にメールをして以来登場していないんですよ。携帯も壊しちゃったから連絡もとれないですし。ちょっとファンキーなお父さんなので、次に出てきたときにどうなっているのか期待してます。

大久保 パパー!(笑) どうしようレゲエ系な感じが増していたりしたら……後番組のことを考えてフラメンコ風だったり(一同爆笑)。

葉月&シシーニョ、星月&ガリレオ、神月&携帯の待ち受けの男の子など、3姉妹の恋の行方についてはどう考えていますか?

大久保 神月が一番女の子らしい恋をしているのかな?

日高 そうかもしれないですね。恋する乙女って感じで!

大久保 でも、第1話のときに「神月の気持ち、気付いてないよね……」と言っているということは、たぶん話したこともじゃないんじゃないかな(笑)。それに、もしその男の子と話せたとしても、神月はあんまり顔に出ないタイプだと思うんですよね。私も憧れている人や尊敬している人の前だと顔がこわばっちゃうので…。 神月も同じで、嬉しくても表情に上手く出せないタイプな気がします。

日高 でも、私は神月が顔を真っ赤にしてるところも想像できるよ!(笑)

星月とガリレオについてはいかがですか?

日高 星月はガリレオに対して、今はまだ憧れ止まりなんですよね。だから、星月が恋愛対象として人を好きになったらどうなるのかは私にも全然想像できないんです。個人的にはシシーニョと葉月のカップリングが大好きなので、そっちが気になります!

真堂 葉月とシシーニョは、並んでみると変な2人だよね。すごく喧嘩しそうだと思います。

日高 だけど周りから見たら多分微笑ましい喧嘩だろうなって(笑)。

真堂 第8話で葉月とシシーニョが京都の街中で会話をするシーンがあるんですね。葉月は絶対に渡したくなかった星月の砂時計を第7話でロベルトに奪われてから自信喪失状態だったんですけど、そんな彼女を助けてくれるというか、もう一度立ち上がる力をシシーニョが分けてくれるんです。恋になるかはまだまだ分からないところですが、シシーニョに対してちょっと尊敬できる部分を見つけられたのは良かったんじゃないかなと思います。

大久保 シシーニョさんがかっこいいなと思ったのは、第9話でアザ・アイアン号に襲われているガリレオ号をブラックガニメデ号で庇ってくれるシーン。そのときにシシーニョさんが「今はあのいかれ野郎からバンビーナ“たち”を守る」って言うんですけど、ちゃんと守る頭数の中に神月と星月も入れてくれているんですよね。「ああ、私たちも一緒に守ってくれるんだ! ありがとうございます!」みたいな(笑)。

日高 わかる! シシーニョかっこよくないですか? 第6話で語られた彼の過去を知っているからかもしれないですけど。あと、好きな女の人の前だけじゃなくて、第4話のように部下に「お前らそのやり方は汚いぞ! だから今日は退却だ!」と言うところもかっこよくて良いと思いますね。

最後にファンのみなさんにメッセージをお願いします。

真堂 三姉妹がいろんな壁にぶつかっていくのですが、旅の中で今までとは違う考え方や感じ方を知っていく、とても素敵な成長物語になっています。どのキャラクターに感情移入するのかは人それぞれだと思いますが、一話一話に思い入れを込めて見ていただけるとより楽しめるんじゃないかと考えています。ところどころに恋模様が散りばめられていて、特に星月の今後が気になっている方も多いと思うので私たちと一緒にドキドキしていただきたいです!

大久保 この作品は1話ごとに本当にいろんな見どころがあります。キャラクターの感情の変化や成長はもちろんなんですが、もともとのテーマの1つ「ガリレオの遺産」がどんなもので、それをめぐってどうなっていくのかが終盤に向けて判明していくと思うので、私たちもすごく楽しみです。神月もね、そろそろ携帯の待ち受けにするだけじゃなく、ちゃんと好きな男の子にアタックするチャンスがあればいいとは思うんですけど、それも今の問題が片付いてからでしょうね(笑)。これから三姉妹の最後の戦いが始まることになると思いますが、私たちと一緒に楽しんでください。よろしくお願いいたします。

日高 星月とガリレオ・ガリレイの関係も個人的には気になっているんですけど、やっぱり作品のテーマとなっている三姉妹の成長をとても楽しみにしています。仲の悪かった両親の関係も最終回までに何かしら変わってくると思うので、それによってのフェラーリ家全体の変化にも注目したいです。それと、アンナさんも三姉妹と一緒に旅をする中で、相当影響を受けて考え方も変わっていくんですが、そこからロベルトが影響されたりもして……。いろんな人とのつながりから登場人物みんなが成長していく物語なので、三姉妹たちだけじゃなく敵キャラクターたちのことも見守ってもらいたいと思います。